全てのことは移り行き、何ひとつ留まるものはないと、諸行無常を深く感じた年になりました。
ちょうど香港にいる時に今年を振り返っていたせいかもしれません。記憶の深いところにある私が感じていた香港はもう私の中にしかなく、過去に現実だった景色が今となっては創作だったのではと思える程の変化。日本も、東京もそうなのでしょう。
身近な景色は常に上書きされ、日々常に変化し続けているということが、生きているということ。いつも感傷にひたる訳ではないのですが、ふと、自分はどこから来てどこへ行くのだろうと、変化の中で足を止め、変わり果てた風景に困惑する瞬間もありました。
Life is really a one way street.
「バートラムホテルにて / アガサ・クリスティー」で、私がとても好きな一節です。ミス・マープルが、古き良き時代を再現したホテルで、どんなに心地良くてもそれが幻であること、そして過ぎた日々は戻らず、人は一方通行の道を前へ進むしかないと語る終盤の場面。
いくつになっても、目の前の現実を受け入れ、勇気を奮い起こして未踏の明日へ挑もうとする気概を持って生きたい。自分の不甲斐なさを突きつけられる度に心折れそうになりますが、まだまだ意地を張って、私の一方通行の人生を進もうと思います。
今年の前半、気をつけていたつもりがかなり体調を崩してしまい、お引き受け出来ない仕事が色々あったことを心苦しく思いつつ、それでも仕事に恵まれ、新しい体験、新しい世界観、刺激的な一年をおくれたことを本当にありがたく感じています。
Q-MHzも3年目、仕事、飲み、旅行、ウェブサイト開設したり(http://q-mhz.com/ お仕事のご依頼もこちらから是非!)と、Q-MHzとして活動することが、仕事人生に組み込まれた感じです。本当に4人で良かったと思うことが何回もあり、もっともっと楽しい音楽を一緒に作って暴れたいなと鼻息荒めです。
そして今年の旅。
シドニー、高雄、札幌、フィレンツェ、ベネツィア、札幌、函館、山原、ホノルル、北京、那覇、台北、鳥取、アテネ、徳島、台南、香港、松山。
沖縄と台湾は複数回行き、過去最多旅行年!
自分はどう生きたいのか。
これを自分に問うた結果、旅が多くなったのです。
冒険がしたい。
冒険とは?
未知の場所にて清新なときめきを味わうこと。
遠くへ行かなくても、隣の駅のスーパーマーケットに行くことも、冒険のひとつです。
でもそれが、行ったことのない国のスーパーマーケットだったら?
品揃えは? 支払い方は? 袋は?
ただの買い物すら大冒険。
このときめきが、私には必要なのです。
常に微熱に浮かされたような状態を、自分の中から消したくない。(ご存知な方もいるでしょうが微熱という言葉も大好きです)
その大冒険である旅行、海外だとかなりの体力気力が必要とされます。健康に自信がないので、この先、遠出が困難になる日が来るかもしれません。悔やまないように心の向くままに旅をしたい! 長年の夢であったパルテノン神殿に行き、この想いがさらに強くなりました。
長々と書いてしまいました。
今年は手紙形式で毎月のブログを書いてきたので、この年末所感も、そんな感じで読んでもらえればと思います。
お互いそれぞれの人生を、今年もなんとか泳ぎ切ったことを喜び合いましょう。
では、よいお年を!