近くて遠い我が友よ、お元気ですか?
11月〜12月の1ヶ月間、金沢のホテルを借りて東京と2拠点生活中。
やっと金沢の有名観光地、兼六園に行ってきました。
やっと…というのは、晴れの日を待っていたからです。
以前にも兼六園には行きましたが、快晴に巡りあったことがなく残念に思っていたので、いつかはと。
空が水に映るだけで美しく、
完璧すぎて、現実感が薄れる青さ。
悪天候の写真もガイドブックに載せて欲しいと思っていましたが、やはり天気が良かった日の写真を使いたくなる気持ちはよくわかります。
こんなに素敵な場所だよと訴えたい気持ち…ガイドブックに載せる写真とは、昔の映像作品でしか見たことはありませんがお見合い写真のようなものなのでしょうか。
雨や曇りを楽しめなかった自分が悔しい!けど晴れて楽しい!
気持ちよく散歩していると、遠くの方から私を目指して小走りになる二人組を発見。
兼六園は迷子になるほど複雑な地形ではない…ということは、記念撮影だな。
そう、何度か書いているし、ラジオを聴いている我が友にはもうおわかりでしょう。私は観光地で道を聞かれやすい、国内、国外問わず写真を頼まれやすいのです。
道を聞かれやすいのは、心のシャッター開けっ放しだから? ラジオでは台湾で原付に乗った人が私の前で止まり、何事かと思ったら道を聞かれたというエピソードを語りました。
私の中国語は、買い物とタクシーに乗る時に目的を伝えるくらいで、決して喋れるという域ではありません。この時は、私は日本人です、ごめんなさいわかりません(我是日本人。对不起,我不知道)、と言って切り抜けました(この言葉はメモしてある)。
はい、やはり撮影のお願いでした。
心のシャッター開けっ放し、そしてよほど暇そうに見えるのでしょう。旅のお役に立てたことは素直に嬉しかったです。
園内の伝統産業工芸館で、
絵が描かれた蝋燭を発見。「赤い蝋燭と人魚 / 小川未明」に出てくる蝋燭を思い出しました。何回読んでも泣いてしまうこのお話(今も読み返して涙が)、「人間は、この世界の中で一番やさしいものだと聞いている」と人魚が想った人間でありたい、でもそんなにやさしくなれない自分を恥じる、読むたびにその繰り返しです。
晴天に浮かれ、蝋燭で思いに沈む、そんな1日でした。
遠くて近い我が友よ、読んでくれてありがとう。
何がテーマのポーズか全くわからない写真でお別れです。
また書きます、それまでお元気で。
ごきげんよう!