近くて遠い我が友よ、お元気ですか?
11月〜12月の1ヶ月間、金沢のホテルを借りて東京と2拠点生活中。
金沢市老舗記念館へ行ってきました。
気持ち良く晴れたので、付近を散歩。
まずは改修工事中の前田土佐守家資料館に寄りました。
加賀藩年寄役の八家の一つである前田土佐守家に代々伝えられてきた歴史的資料を保存して公開する博物館、企画展「消息文-仮名の書状 」開催中でした。仮名の書状なら読めるかもしれないと思いましたが、昔の流れるような書き方難しく、読めたような読めないような…雰囲気を感じ取り退館。
金沢市老舗記念館、木造で手入れが行き届いた感じが伝わってきます。
木造の建築で大きな硝子の解放感。
藩政時代からの薬種商「中屋薬舗」の建物を金沢市が寄付を受け、伝統的町民文化の展示施設として開館したそうです。
懐かしく古風な美しさを感じるのですが、やはり木造建築の弱点は寒さだなと思います。
私の実家は昔の東京には珍しくなかった古風な木造建築、社宅の一軒家でした(今はもうありません)。風情があるどころではない寒さと古びた木の暗さ。いくら谷崎潤一郎の陰翳礼賛が好きでも、家族で住んでいるので装飾は思い通りにはならないし、畳の部屋にピアノとシンセサイザーと本棚とベッドがあるという自室の渾沌具合はさておき、トイレと浴室の寒さが本当に辛かったのです。
古民家カフェなど昔の建築を利用した場所にいくと、風情にひたりながらもあの寒さを思い出してしまい住んでみようという気持ちにはなれません。だからこそ、こういう美しく保存された建築物を見るのは楽しく、手入れから解放された身として畳と襖と障子を堪能できます。
そう、年末に障子を張り替えたり畳を替えたり、和風の家って綺麗に住むとなると手入れが大変ですよね。
床の間も掛け軸を飾るどころか収納と化していた記憶が。
それでもほのかな和風建築への憧れは消えず、もし自分で全てを選んで新しく建てられるとしたら、和風の家に住んでみたい気持ちもあります。
不精者の自分には荷が重いので、その憧れを真剣に追いかけることはないと思いつつ。
さて今回の滞在、帰宅は空路を使いました。
まず金沢駅から電車で小松駅へ。
サンダーバードという名前が好きで、いつもじっと見てしまいます。
小松駅からバスで小松空港へ。このバス、私が乗る時は空いていることが多く、路線がなくなったらどうしようと心配。
駅の周辺、ここから空港へ行き小松空港からはあっという間に羽田だなと思うと、遠い地だという気があまりしません。金沢に通うのも慣れたのでしょう。
近くて遠い我が友よ、読んでくれてありがとう。
地元の猫先輩が道案内してくれた平和な写真でお別れです。
また書きますね、それまでお元気で。
ごきげんよう!