夏、東京は台風の本日8月13日は私の誕生日。
50歳の時から毎年、人生について考えたことを書くことにしたので、56歳になった今日も書いてみます。
自分自身の心の声を聞くこと。
自分自身の心の声に率直でいること。
これが50歳の時に決めた人生の指針です。
https://akihata.jp/blog/3210/
あれから6年。
私は現在、単純で率直な日々を過ごしていると思います。
仕事と、自分がやっておきたいこと(今は過去のCD音源を新録して配信でお届けする懐古庭園シリーズの制作ですね)に集中して、心身の健康を損なわないような生活。
身体が丈夫ではない自分は、活動に色々限界があります。精力的に多方面で活動している人達を見ると、その気力体力が羨ましくなることもありますが、極力人と比べない。これが心の安定を保つために大事だと思うのです。
人と比べないのはもちろんとして、最近気づいたのは、自分とも比べない方が良いということ。
懐古庭園シリーズは過去のゲームの曲達の中から、今入手が困難な曲をセルフカバーしてお届けしているので、10年も20年も前の曲だったりします。
当時の自分は、作りたいメロディーを重視して歌いやすい曲ではなく歌うのが難しい曲に挑戦していた時もあり、それが今の自分にとっては、つらく感じると自覚したときの落胆。つまり年齢に応じた肉体の変化を感じるようになり、以前より高い声が出にくくなっているのです。
元々抜群な歌唱力を誇るタイプではない、それでも高音は出せるという自負があったのでしょう。自信が砕け散り思うように声が出せなくなった時に感じた絶望で、自分にも声に誇りがあったのだと思い知りました。
なんとなく出にくくなってきたという自覚はあったので、これまでは発声の仕方を変えたりして対応してきたつもりでした。しかしできるだけ当時を再現しようと録音に挑んでみると、その変えた歌い方ではニュアンスが違ってしまう。
思うように歌えず落ち込み、つい力んで練習しすぎて喉を痛めてしまったり。悔しいやら情けないやら、久しぶりに歌うのが嫌いになりそうでした(時々自分の至らなさにそういう気持ちになるのです)。
悔しさの果てで考えたのが、人と比べないだけではなく、過去の自分と比べても仕方ないのでは、ということ。
その時は簡単にできた。今は難しい。
現状を認めて最善を尽くす。
私にはお恥ずかしながら、とても大変なことでも軽く乗り越えているように振る舞いたいという、良く言えば美意識、直球で言えば弱みを見せたくないというか見栄を張りたい癖があります。
これからはその癖を直したい、と思いました。
もっと、さらにもっと今の自分に率直でありたい。格好悪い自分を笑い飛ばしたい。
と言う訳で、以前と同じ歌い方では高い声が出なくなって苦しかったという弱音を吐いてみました。
これからもこういう悩みを書いてみたいです。頻繁だと鬱陶しいだろうから、たまに。
懊悩を書いてみて、少しほっとした自分がいます。でも、恥ずかしい!書くのではなかった!と思う自分もいるのです。まあ思い切って投稿してしまいますが。大変なこと、苦しいことの弱音を吐くにも勇気がいるものなのですね。
これまでの自分や、自分の思い込みをどれだけ手放せるか。56歳になった自分の今後には、それが必要な気がします。来たるべき最後の日が一番自由な気持ちであるように、縛りを解いていきたい。
という告白を踏まえて、「Motto-Motto」で歌った「もっと」の意味は、飛躍や拡張ではなく純度を高めることに向かっても良いのではと考えています。
今まで手に入れられなかったことを追うのではなく、自分が持っているものを深掘りするということにも時間を使いたい。
これまでの人生における謎が解けても、これからの人生どうなるのだろうという謎が生まれ、ずっと生きる意味を考え続けるのかなと思います。
そんな誕生日の本日、畑亜貴の「弱り目に祟られろ!レディオ 或いは感情言語化研究所」エンディングテーマ、「バイバイ、永遠に。」のミュージックビデオが公開されました。
「畑亜貴の弱り目に祟られろ!レディオ或いは感情言語化研究所」も本日公開。限定配信版の「猫舌TeaTime 076」では、上で書いた弱音を吐きたい、という件について語っています。
現シーズンは芸人、日本語学者のサンキュータツオさんと、タイトル通り言語化以前の感覚を言語化してみる感情言語化研究所です。このテーマに興味のある方は是非聴いてみてくださいね。ラジオへのおたより、毎回とても嬉しく読んでいます。
もしも誕生日だし何かお祝いしたいと思ってくださったら、お気持ちだけでも充分ですけど、曲を聞いたり買ったり、YouTubeチャンネルを登録したり、noteにてたたらじ / 感情言語化研究所を応援して頂けるとありがたいです。
最後に。
私が作る音楽を好きになってくれる人を密かに「我が心の音友」と呼んでいます。
我が心の音友よ、偏屈で自分の世界に閉じこもりがちな私の音楽と出会ってくれてありがとう。言葉と音で繋がりながら、お互い自分の人生を楽しんでいきましょう。
文末の thinking about my life タグで、私の迷い多き人生をまとめて読むことができます。興味があったら目を通してみてください。
ここまで読んでくれてありがとう。
では、また一年自由な魂で生きていこうと思います。