夏、本日8月13日は私の誕生日。
50歳の時から毎年、人生について考えたことを書いています。
自分自身の心の声を聞くこと。
自分自身の心の声に率直でいること。
これが50歳の時に決めた人生の指針です。
https://akihata.jp/blog/3210/
あれから7年、57歳になりました。
私の最大の願いは自由に生きること。
その中には思いのまま作り歌い、音楽で日々の糧を得るということも含まれています。
音楽だけで生計を立てたいというのは、わがままで自分勝手な欲望かもしれません。だとしても自分にとっては切実な願いで、どうしても叶えたかった。全てが音楽に繋がる暮らしの中で生きていたかったのです。
そして願いが叶った後は、この生活を続けるために努力し続けるという現実がありました。つまり思いのままに生きるのは楽しいけど楽じゃない。
仕事とは、需要。
一体自分に何が求められているのか、考えながら必死に応える日々でした。
時代の流れの中、言い様のない想いを抱えた人達のために、言い様のない想いを抱えた自分が想いの尻尾をつかまえて言語化する。そのことにきっと意味や需要があったのでしょう。とてもありがたいと今更ながら感じています。
自由に生きることに捧げてきた時間と情熱、そのために退けてきたさまざまなことを想うと、ほぼ願い通りに生きている今でも胸に棘が刺さり続けているような痛みを感じます。私は一生痛みとともに生きていく覚悟ができました。
色々な過ちを振り返ってみても、やはり私は心のままに生きるしかなかった。やり直しても魂は同じような道を、またもや愚かさと共に辿る気がします。
痛みについての気持ちを歌ったのが「砂海パラソル」。この曲には、私の根本の想いが詰まっています。
最近は、体力も気力も無尽蔵ではないと思い知らされる日々でした。少し無理をすると、その後に影響が出てしまう。今年の前半は体調がすぐれない時が多く、予定を進められないもどかしさに参っていました(本当は誕生日にも新曲を出したかった)。
それでも歳を重ねて良かったと思うこともあるのです。
懐古庭園シリーズに収録した作品の歌詞で、もっと良いゴールがあるかもしれないと思っていた歌詞を書き直せた喜び(君の目の王国)、好きだった本の再読で、受け取り方の変化による違った発見の喜び。
そして過去のゲーム主題歌を新録してお届けする懐古庭園シリーズ、順調に進み「青空ボレロ – 懐古庭園 Vol.08 -」は先月配信開始、現在Vol.09製作中。Vol.10で終わる予定なので、ゴールが見えてきました。
CDで発売され他に聴く手段がなかった曲達を、MVと共に現在も聴けるように配信でお届けできてほっとしています。
この制作過程で、自分の歌と演奏作曲への意欲が蘇ってきました。原点へ戻ってきた、止まっていた時が動き出した気分です。
最近はずっと籠もって鍵盤と向かい合ったり、曲を作り続ける日々。外で世界が滅亡していても気づかないのではというくらい音に集中していることが多く、これもまた懐かしい自分というか、やっとそこへ立ち返ることができたというか。
この気持ちのまま、音を追い続けたい。
私の本質はきっと小学生くらいから変わっていないのでしょう。中学生、高校生、大学生、そして仕事を始めた自分が、その時期の仮面を頑張って着けていたことが今はなんとなくわかります。
物語と音楽が好きで、素敵な物を探すために自転車で知らない街への冒険に出て、お小遣いでちょっとした美味しい物を買い食いする子供のままの自分。私はもう、この自分でいたい。
…と、香港でこの文章を書きました。
やはり旅先では、日常の些事から解放される故か考えごとが捗ります。
自転車で遠い街へ出かけていた子供は、飛行機で世界を気軽に旅する大人になりました。範囲が広がっただけで、やはりやっていることは変わりませんね。
そんな誕生日の本日、探究ラジオ「感情言語化研究所 019 “スーパーマーケットで聖徳太子”」公開中。現シーズンは芸人で日本語学者のサンキュータツオさんと感情の言語化を研究中。Podcastでも配信中なので是非聴いてみてくださいね。ラジオへのおたより、毎回とても嬉しく読んでいます。
もしも誕生日だし何かお祝いしたいと思ってくださったらお気持ちだけでも充分だけど、曲を聞いたり買ったり、YouTubeチャンネルを登録したり、感情言語化研究所を応援して頂けると大いに喜びます。
最後に。
昔から活動を追ってくださってる方、最近私の曲を聴き始めた方、どちらにしても私と好みが合う世間では希少種に属する趣味性を持つ方だと思います。そんな我が心の音友(と私は呼んでいます)と、現世で出会えてよかった。どうぞこれからも、この世界の荒波を乗り越えるお供に私の音を聴いてもらえたら幸いです。
thinking about my life タグで、私の迷い多き人生をまとめて読むことができます。興味があったら目を通してみてください。
長い手紙をここまで読んでくれてありがとう。
では、また一年自由な魂で生きていこうと思います。