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まだ死んでない (Doubt it’s paradise ver.) 楽曲解説
2023.12.24

我が心の音友よ、アルバム「Another mysterious ticket」、そして前回の「風野稀人 (Sasurai ver.)」楽曲解説はいかがでしたか?

収録曲について想うことを伝えてみようと書き始めました。レコーディングや編曲について、興味があったらぜひ読んでくださいね。

“Not dead yet (Doubt it’s paradise ver.)” music commentary

3曲目の「まだ死んでない (Doubt it’s paradise ver.)」は、「青空ボレロ – 懐古庭園 Vol.08 -」に収録された、今年発表の新曲です。

仮タイトルは「消えない」で作っていました。暑さに、人生に倦んでいるようで倦んでいない曲。私の大好きなコード進行、F△7→G6→Em7→Asus4→Aで始めて、怪しく転調を繰り返します。そしてサビは突然ブルースなコード展開になるという異色の進行です。間奏で解放感があるトロピカルな雰囲気を作っておきながら、Dメロでいきなり落とし、その後のサビは1C、2Cとは違うコード展開へ。

さらっと聴いていると特に異常さは感じないと思いますが、コードを追ってみると妙な展開…そこが実に私好みの曲なのです。

編曲は、西岡正通さん。
リゾートテクノというかエレクトロニクスハワイアンというか、青い空だけど、どこか不安でほのぼのし過ぎないパラダイス感というお願いをしました。

原曲の「まだ死んでない」は私が作ったフレーズイントロ2小節を西岡君が伸ばして、不穏なリゾートテクノ感を醸し出してもらいましたが、Doubt it’s paradise ver. では歌から入ってみました。

このバージョンでは、西岡君のSEっぽいギターフレーズや可愛いシンセを強調したくて、思いきってそれ以外をカットしています。トロピカルな雰囲気と西岡君のギターは絶対合うと思っていたら、まさにその通り。さまざまなフレーズが上から横から流れて消えていく昇天アレンジとなりました。その中に漂うあまりフレーズを作りこまずに私がさらっと弾いてみたシンセソロ、ラフ過ぎるかなと思いきや、意外と合うなと。

デモ段階では最後のサビが終わったところで曲も終わりでしたが、西岡君が考えたギターソロのアウトロが加わって南国感が盛りあがりました。

自分で編曲してたら、きっとさっぱり終わっていたと思います。音楽に正解はないので、どちらの解釈でも良いのです。ただ、私が見たいゴール、リゾートテクノというかエレクトロニクスハワイアンだったら、アウトロはあった方がよりイメージに近い。こういう時に、共同作業のありがたさを感じます。

この曲で推したい歌詞は「唾棄すべき世にちょっとある本当」「無に向かう いずれみんな」。これが今の自分が心から思っていること。でもまだ死んでない。死んでないから、できるうちにやりたいことをやっておこう。重くもなりそうなテーマを軽く歌いたかったのです。

我が心の音友よ、音について歌詞について書いていると切りがないのでこの辺で終わりにします。次は4曲目の「イバラ・ティアラ (More darkness ver.) 」について書きますね。
では、また!