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「迷える恋羊 (Kurun-kurun ver.)」楽曲解説
2024.04.07

我が心の音友よ、新作「迷える恋羊 – 懐古庭園 Vol.09 -」はいかがでしたか?

前回のアルバム「Another mysterious ticket」で初めて楽曲解説をしてみました。技術的な語りが興味深かったとのこと、主にその方向性で今回も書いてみます。

1曲目の「迷える恋羊 (Kurun-kurun ver.)」は、2005年4月28日に発売されたPCゲーム「神様のいうとおりッ くじびきAI-BIKIスクランブル」主題歌を編曲し直した Kurun-kurun ver. です。この曲は2005年2月11日発売PCゲーム「ゆりね~おねえさまがおしえてくれた~」の主題歌「イバラ・ティアラ」と、私の中では対になってます。

「イバラ・ティアラ」で自分が目指したのは、暗い世界観でのメジャーとマイナーのコード感の往復、歌いやすさを考えない自分が面白いと感じるメロディーの動きで、私が作った曲の中では歌いにくさ上位の曲。歌いにくいけど好きという感じを、明るい世界観で挑戦したのが「迷える恋羊」です。

もうひとつの挑戦として、一番盛り上げるべき場所のメロディーを思いきり下げてみたい気持ちがありました。当時割と自由におまかせで制作できる環境であったPCゲームの主題歌とは言え、商業作品である限りある程度のわかりやすさは必要、どうしたらこの自分的課題を乗りこえられるのか。

0C-Intro-1A-1B-1C-1C’-Interlude-2A-2B-2C-2C’-3C-3C’-D

上記の曲の構成を大体考えた時、3Cでメロディーを下げるなら、この挑戦が違和感なく受けいれられるのではと。でも本当は全部下げたい…ということで高いメロディーも作り、コーラスのように見せかけた低いメロディーが実は主旋律であるという仕掛けに辿り着きました。

なので、自分的にこの曲を代表する部分は3Cです(↑曲へのリンクは3Cから流れます)。

曲を代表する部分と言いつつ、当時一番歌いにくかったのは3C部分です。自分にとっては、この音域で声を張るのが難しく、語るように歌うことで解決させたようなしていないような心残りがありました。

ところが今回歌ってみたら、以前より歌いやすい。声を加工しているので、以前のバージョンとあまり違いを感じないかもしれませんが、発声はかなり変わっています。高音が出にくくなったなと感じていた昨今、この変化は嬉しいこと。

高音が出にくくなった件については、また変化の兆しがありました。「風野稀人」MV撮影時、待機の時間が長いので外でなんとなく歌っていたら、「イバラ・ティアラ」の高音がすっと出たのです。寒い屋外、スモークやほこりで喉にとって良くない環境、寝不足で疲れているのに。

その後も確実にではないけれど、自然に出ることが増えてきました。最近また発声方法を少し変えたからかもしれません。ということは、喉の変化に合わせて常に少しずつ声の出し方を変えていけば良いのでは。この辺はやってみないとわからないので、日々工夫していきたいところです。

編曲については Kurun-kurun ver.ではない方の、オリジナル「迷える恋羊」で、両曲を比較しながら語ろうと思います。今回も西岡正通さんにお願いして、曲が素敵に生まれ変わっています。

西岡君のアフロを手に乗せるのが楽しくて、こっそり撮影しがちな構図。

我が心の音友よ、レコーディングの写真と共にお届けした楽曲解説、いかがでしたか?

楽曲と合わせてお楽しみ頂けたら嬉しいです。次は2曲目の「瓶の天使は僕のもの」について書きますね。

では、また!