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「瓶の天使は僕のもの」楽曲解説
2024.04.14

我が心の音友よ、新作「迷える恋羊 – 懐古庭園 Vol.09 -」、そして「迷える恋羊 (Kurun-kurun ver.)」楽曲解説はいかがでしたか?

今回は2曲目、「瓶の天使は僕のもの」について書いてみます。

この曲は、2001年2月16日発売のPCゲーム「Fragrance Tale」の挿入歌として制作しました。歌を含め、作詞作曲編曲まで担当しましたが、自分の中では編曲でもっと世界を広げたかったという心残りがあり、「隷属快美の娘達」にて再録しました。そして今、この曲と向かいあった時、もう少し違った歌い方ができるのではと、さらに挑戦してみました。

作った時の歌い方は中性的な方向を目指し、「隷属快美の娘達」では囁くような歌い方を目指し、今は最初に戻って中性的、そして現在自然に出る声で歌ったところ、これまでで一番しっくりくる歌い方になったと思います。

メロディーは物語を淡々と語るような旋律を重視、歌詞もなるべく静かな言葉を選び挿入歌として栞のような楽曲を目指しました。

静かな言葉ではあるけれど、君の全て、瓶の中、僕の全て、繰り返すことによって尋常ではない執着、狂気を感じさせる歌詞の構成です。

編曲は西岡正通さん。
原曲の雰囲気を残しつつ、私が辿り着きたかった、繊細な想いと危うい情熱をあわせ持つ世界観へと楽曲を導いてくれました。

構成は Intro-1A-1B-1A’-Interlude-2A-2B-2A’-Interlude-3A-Outro。

Aのメロディーを繰り返しながら、3Aに向かい少しずつ盛り上げ、3Aで大きく盛り上げます。3Aではメインボーカルを4本重ねてメロディーを強調、Outroの強いシンセのフレーズへ繋げています。

西岡君の編曲テクニックで私がとても好きな箇所は、異質なパートを差し込むところ。バックにシンセサイザーの謎アルペジオや歪んだギター。

3Aの手前でも、それまでのケルティック風味とは相反するような、デジタル感が強いバスドラ、イントロから1コーラス目からは想像できない歪んだギターに気持ちがもっていかれる気持ち良さ。

もちろんここに書いたところだけではなく、素敵なフレーズがたくさんあるので、ひとつひとつの音を追いながらぜひ聴いてみてください。

話変わって、ジャケットデザインをお願いしている水口智彦さんが作ったTシャツを西岡君にプレゼント、とてもお似合い!

我が心の音友よ、レコーディングの写真と共にお届けした楽曲解説いかがでしたか?

楽曲と合わせてお楽しみ頂けたら嬉しいです。次は3曲目「やだやだやだやだ眠れない」 について書きますね。
では、また!