我が心の音友よ、新作「迷える恋羊 – 懐古庭園 Vol.09 -」、そして「やだやだやだやだ眠れない」楽曲解説はいかがでしたか?
今回は4曲目、「Bottle of sadness」について書いてみます。
この曲は2001年7月6日発売のゲーム、ドリームキャスト「Fragrance Tale」のオープニングテーマです。PCゲーム「Fragrance Tale」の移植版でその時の主題歌は「瓶の天使は僕のもの」。経緯はよく憶えていないのですが、「瓶の天使は僕のもの」よりも明るい疾走感があるインストルメンタルを作るという発注だったような。
この頃はまだ作曲の仕事の方が多かった時期、作曲編曲自体は今よりもかなり早く作業が進んだ記憶がうっすらとあります。
編曲は西岡正通さん。
ピアノ中心の自分の編曲から、ギターとシンセがサウンドの中心となった楽曲への変化。
シンセサイザーがメインのメロディーを弾いているので、音色は私が指定した方が作曲時の意図は伝わり易いのですが、今回は西岡君にお任せしました。私が作った当時の気分にこだわる音色より、西岡君の選ぶ音色の方がインストとして全体のバランスが良くなると考えたからです。
瓶A変Intro-瓶A変1A-Bottle1B-瓶A転-Bottle1C-Interlude-瓶A変2A-Bottle2B-瓶A転-Bottle2C-瓶A変Outro
曲の構成は「瓶の天使は僕のもの」のフレーズを一部使いながら違う曲へと仕上げています。瓶=「瓶の天使は僕のもの」からのフレーズ、変=変化形、転=転調です。新録の際に少しだけ構成を変えました。
2001年当時の「Bottle of sadness」を聴いて思ったこと。メロディーと構成、展開の発想は良いけれど編曲について反省しきり。メロディーの流れの良さやコーラスとピアノの高音に頼り過ぎているなと。
今だったら、もう少しシーケンスフレーズを重ねて高音を補足しつつ、ギターとSEで浮遊感を増す方向にするだろうな…という、この辺を全て西岡君が表現してくれたので、今聴きたい「Bottle of sadness」へと進化を遂げました。
曲内のギターで、私がふふっと笑顔になるフレーズをご紹介します。Bottle1Cのシンセメロの後、
Bottle2Cのシンセメロの後、このギターらしいフレーズ達を、西岡君がちょっと恥ずかしそうに弾いているところです。
ぜひギターのみを追って聴いてみてください、私のふふっが伝わるかもしれません。
撮影時の動画で「Bottle of sadness」使ってみました。良かったらみてくださいね。Instagramでも見られます。
我が心の音友よ、レコーディングの写真と共にお届けした楽曲解説いかがでしたか?
楽曲と合わせてお楽しみ頂けたら嬉しいです。次は5曲目「迷える恋羊」について書きますね。
では、また!