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Deep blue drops 楽曲解説
2024.06.23

我が心の音友よ、新作「Deep blue drops」はいかがでしたか?

配信開始と共に楽曲解説を書いている昨今、今回もお届けしますね。

「Deep blue drops」の編曲は大野瑞稀さん

以前「君の昨日は救えない」「TaTa-LaLa」を、大野君が好きなDjent(音楽ジャンルで私的にはびよびよしたプログレメタル的なイメージ)の要素を入れて編曲してもらった時、自分の声やメロディーとの対比がとても面白いと感じました。またお願いしたいと思いつつ月日は流れ…「君の昨日は救えない」「TaTa-LaLa」は既存曲のリアレンジでしたが、今回はこのサウンドになる前提で新曲を作ってみようと思ったのです。

作曲する時は、大体同時に編曲の方向性も考えながら進めます。今回は編曲の方向性が固定、ということはどんなメロディーや歌詞が来たら効果的かということを考えつつ、今の自分が一番歌いたいことを曲に落とし込まなくては。

サウンドは特徴のある激しいギターのリフがメインとなるでしょう。となると、サビは音を長めに伸ばし、ハーモニーが綺麗に聞こえるメロディーにしたい。そしてサビに行くまでに小技を仕込んだメロディーを展開させたい。

以上を踏まえて、歌い出しの「雨は雨はいつも止むとは限らない」から、歌詞と曲同時に作り始めました。そしてサビはこのメロディーを伸ばして繰り返すことにします。

まず1Aでは、歌詞の意味と共にメロディーに閉塞感を出します。同じことを繰り返してしまっている、ということをメロディーでも出すために、フレーズをり返して使う音を限定しました(画像の色分け部分が同じフレーズ)。

そこから、一度しか出てこない1Bへ。2本のメロディーは両方とも主旋律で絡み合いながら、1Cの手前で一瞬自分の感情を突き放すという表現のために盛り下げます。

1D-Interlude1-1A-1B-1C-Interlude2-2A-2C-2C’-Outro-2D

作曲が完成した時点での曲の構成は2C’まででした。1Bでメインのメロディー2本を交差させる。コード進行はベースラインを段々下げていく流れを作りたかったので、編曲時になるべくここは変えないようにとお願いしました。

2C-2C’では転調。その後Outroから2Dに戻る終わり方は大野君案です。アウトロで世界観を変えて冒頭のメロディーに戻る展開、素晴らしい。

作曲時に苦労したのは、1Bから1Cの転調の流れ「ありえないほど世を拗ねる だって雨に濡れたままです 雨に」。

1Cへと美しく盛り下がりながら転調するにはどうしたら良いか。メロディーを下げながらsus4コードとdimコードを繰り返すところに落ち着き、結局私はサビ前にdim使うのが好きなんだと自覚しました。

レコーディングまで迷い多き歌で、練習している時も自分の曲ながらサウンドをつかみきれていない不安があり、

当日はスタジオ行く前に練習し過ぎて、最後のコーラスで少し声が枯れぎみという失態を招きましたが、激しいサウンドの時の着地がつかめた気がします。必死感漂う収録風景の動画も良かったら見てくださいね。

サウンドエンジニアでもある大野君ですが、Mixは西岡正通さんにお願いしました。大野君の目指したい音的ゴールもわかるのですが、私にも目指したい場所があり、そこへの到達を考えると編曲とMixは分けて考えた方が良いと思ったのです。

到達したい場所への説明が、うまく言語化できずについ馬鹿っぽい伝え方になってしまいますが、西岡君の察する能力と目指す空間の構築力にいつも本当に助けられています。お陰で今回も美しい音像へ辿り着くことができました。

嗜好も世代も違う私達が集って「Deep blue drops」という1曲を完成させる不思議さ。編曲ありきでの作曲も面白かったので、また挑戦してみたいです。

我が心の音友よ、レコーディングの写真と共にお届けした楽曲解説はこれで終わりです。

次作は8月にお届け予定、映像も進行中ですのでお楽しみに。
では、また!