夏、本日8月13日は私の誕生日。
50歳になった時から毎年、人生について考えたことを書いています。

自分自身の心の声を聞くこと。
自分自身の心の声に率直でいること。

これが50歳の時に決めた人生の指針です。

あれから8年、58歳になりました。
大丈夫、自由に生きてます。

残された時間を考え、今の私は活動の軸を自分の創作活動に置いてます。体力的にはままならないこともありますが、工夫を重ねてなんとか楽しく過ごしているつもりです。

私の音楽人生の目標は、
・私が表現したい音、私が聴きたい音を追求すること。
・その探究心のまま自由な音楽人生をおくること。
・こういう曲が聴きたかったと思ってくださる人達へ届けること。

奇跡的に「こういう曲が聴きたかった」と思ってくださった方は、私にとって心の音友（と呼んでいる）。音楽で何かしらの感情が伝わる遠くて近い繋がりを、本当にありがたく思っています。

私が聴きたい音なので、大勢の人達が聴きたい音になるとは限らない。だから目指すのは再生回数や何かしらの動員を増やすことではないのです（もちろん励みになるけど）。大勢の人に楽しんでもらうのが前提の、職業作家として仕事をする時とは全く逆の気持ち。

作家としては精魂込めて、作品やアーティストの世界観を支えて行こうと思っています。

ただ仕事において、夢を音に乗せて届ける作品の裏側では理不尽を強いる夢のない制作が行われる場合もあり、その時の虚しさには心が蝕まれます。何よりも辛いのは立場と状況を考え、関わるアーティストや作品のファンの方達のために、それを飲み込まざるを得ないと判断してしまう自分の不甲斐なさ。職業作家としての収入で生計を立てている身としては仕方ない…

…仕方ない？本当に？？
真摯に作品と向かい合いたい気持ちを踏みにじられるのは、理不尽だし不愉快だ！という心の声を無視するのは、人生の指針に反するのでは？

私は、このことについて考え続けました。愚かで至らない人間ではありますが、せめて音楽に対する誠実さだけは守りたい、仕方ないと飲み込む回数をこれ以上増やしたくない。58歳の自分は、後々自分を恥じるような選択をしないように歩もうと思います。

時を経て生まれ変わるゲーム主題歌をお届けする懐古庭園シリーズは「迷える恋羊 – 懐古庭園 Vol.09 -」でいよいよ9作目。Vol.10がゴールなので、生きているうちにお届けできそうです。

もはや当時のゲームやCDを探すしか聴く方法がない、私が作り歌った曲達を、今の環境で聴けるようにと新録でお届けしています。

5月に配信した新曲はまさに今の想いを詰め込んでいます。止まない雨はないと言うけれど、心の中に降り続けているこの雨は一体…私は止まない雨もあると思うのです。気休めを信じるより、目の前の現実を受け入れる勇気を自分の中に持っていたいという想いを「Deep blue drops」で描きました（良かったら楽曲解説もどうぞ）。

そして3日前の8月10日配信開始、34年前の楽曲を今やっと歌いきれた気がする「無欲のつもりで」。当時の自分からなんと遠いところへ来たのでしょう。あの先が見えない迷い多き日々よ、先どころか自分のことすらわかっていなかった浅はかな日々よ。

とは言いつつ、私は自分が如何に駄目な人間かを若き日の経験で後々自覚して、少しはましになるように生きようと決めたので無駄ではなかった筈。愚かながらも自分なりに今頑張れてるとは思います…思いたい…。

最近はこんな感じでレコーディング、歌い方というか声の出し方は以前とかなり変わったと思います。当時はもっと大人っぽい声で歌いたい、太い声になりたいという意識が強くて、自分の声をどう扱ったらいいのか分かっていませんでした。だんだんと特性を受け入れ、発声も色々試して今の歌い方になりましたが、喉の状態にも変化があるので、これからも少しずつ変わっていくでしょう。

今年は秋にまた新曲をお届け予定、気力と体力と声が続く限り、私の中に流れる音楽を表現し続けたいです。

誕生日だし何かお祝いしたいと思ってくださったらお気持ちだけでも充分だけど、曲を聞いたり、YouTubeチャンネルを登録したり、感情言語化研究所を応援して頂けると大いに喜びます。

もしシンガーソングライターの畑亜貴をご存知ない方には、Spotify「#歌う畑亜貴 ハジメの一歩！プレイリスト」、曲の解説付きなので良かったらどうぞ！

探究ラジオ「感情言語化研究所」では、芸人で日本語学者のサンキュータツオさんと感情の言語化を研究しています。Podcastでも配信中なので是非聴いてみてくださいね。ラジオへのおたよりもお待ちしてます。

最後に。
いつも密かに曲を聴いてくださる方、最近私の曲を聴き始めた方、私という人間の中に漂う音の研究にお付き合いくださる、我が心の音友の皆様に出会えたのは人生の喜びです。どうぞこれからも、この偏った音を心の片隅に置いてもらえたら幸いです。

thinking about my life タグで、私の迷い多き人生をまとめて読むことができます。興味があったら目を通してみてください。

長い手紙をここまで読んでくれてありがとう。また一年、魂のままに自由な生活を謳歌しようと思います。