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ひるまのゆうれい 楽曲解説
2025.05.11

我が心の音友よ、童謡アルバム「さようなら海星」楽曲解説2曲目は、「ひるまのゆうれい」です。

「赤い鳥小鳥」のような童謡を作りたいと思いました(好き過ぎて自分でも歌ってます)。

ストーリーを何回か繰り返し、短い中に一瞬の盛り上がりがあるという曲です。そしてできたのが2013年に発表の「ひるまのゆうれい」(今回配信にあたって Nostalgic ver.をタイトルに入れました)。

当時の歌い方は、勢いよく可愛く行きたいなと、語尾の跳ね上げを意識して使いました。

跳ね上げと私が呼んでいるのは、サビの「あなたの横でさみしそう」の「う」を勢い良く上げて音程を消した歌い方です(該当部分から再生されます)。この跳ね上げは一般的に可愛さやあどけなさを強調する方法として、アイドル楽曲やキャラソンでよく使われます。

歌い方のメリットとして、可愛さの効果が出しやすい、また発声を伸ばした時の音程の不安定さがわかりにくくなることがあげられます。デメリットは、多用すると1回の効果が薄れ単調に聞こえる、声の伸びがそこで打ち切られるので、余韻がなくなるといったことでしょうか。

最近の私は、癖が強い歌い方をコントロールする研究をしていました。過去のゲーム曲をセルフカバーでお届けする懐古庭園シリーズも完結しそうなので、もう当時の歌い方を再現しなくても良いだろう、今の歌い方を追求したい、と考えたからです。

そこで跳ね上げの使用も控えてみました。前出の音源と聞き比べてみてください(それぞれ該当部分から再生されます)、「あなたの横でさみしそう」の「う」は跳ね上げていません。同じフレーズを3番まで繰り返す中で、使ったのは2番の後半のみです。

音楽にはこれが正解!というのはないと思うので、私のこの研究も自己満足、前の歌い方をお好みのリスナーもいるでしょう。前回の歌もそのまま残したバージョン、新録バージョン両方をお楽しみいただけたらと思います。

2013年版の編曲は森藤晶司さん、2025年版は西岡正通さん。前回森藤君にはピアノと鍵盤ハーモニカを中心にしてもらったので、今回は違う雰囲気でいこうと考えました。西岡君のギターを活かして場面転換をする…ジャズ風やカントリー風があったら面白いかなと伝えたところ、思いっきり実現してくれました。

C-Intro-1A-1B-2A-2B-3A-3B
という構成。
私がぐっと盛り上がるギターフレーズは2A。とくに2A後半は泣きそうになります。

この構成で、イントロのポンポンコーラスは西岡君案なのですが、常々コーラスの発想はどこから出ているのか気になっています。私の作るコーラスは合唱曲が根本にあると思うのです。西岡君の場合はジャンル問わず感というか、色々聴いてきたジャンル達の中から好きなフレーズが浮かんでくるのだろうと想像はしているけれど、根っこは何だろう、と。

自分の想定外のコーラスを提案してくれるので、驚きを味わいながら楽しく歌っています。時々高音がぎりぎりの時もあるけれど、素敵なコーラスのためには気合いで出すしかないですね。

「ひるまのゆうれい」楽曲と共に、映像&イラストの台湾ロケの模様もよかったらどうぞ!

我が心の音友よ、レコーディングの写真と共にお届けした楽曲解説、いかがでしたか?

次回は「鬼の時守 (Kodama ver.)」について書きますね。では、また!