我が心の音友よ、「Do as you please」はいかがでしたか?
じりじりと書き進めている、楽曲解説をお届けします。
怒りを前面に押し出した曲は久しぶりです。
「万能に滾る如何様」では、「誰かの手柄は 自分の手柄…虫酸が走る 奴隷じゃないし」と歌い、
「オマエのココロは貧乏」では、「オマエのココロは貧乏 なのに態度は大臣大大臣」と歌い、
「拝金聖者我が街を進まん」では、「異常な阿呆に吃驚」と歌い、
「臨機汚々者無礼者」では、「喧嘩を売っても安っぽい 売られたこっちが情けないでしょう?」と歌い…。
「Do as you please」は編曲を大野瑞稀さんにお願いする前提で作った曲、大野君の作風は動かしがたいジャンルなので、曲の方でこれまでお願いした楽曲とは違うことを試してみたい。そう考えて思いついたのが、8分の6拍子でミドルテンポの曲。
当初は怒りではなく別のテーマで曲を作り始めました。自分の曲は歌詞と曲を同時進行で作ることが多いのですが、今回は曲の流れを優先させて作曲先行。
さて曲を書き終わり歌詞を詰めていこうとしたら、なんだかテーマがしっくりこないのです。本音を書けていないというか綺麗にまとめようとしてしまうというか。
本音とは…そう、信じられないほど失礼な人に連続で遭遇してしまい、憤懣やるかたない状況だったのです(久しぶりだったので衝撃大きい)。
普段平和に仕事をしていると出会わない、平然と人を足蹴にして仕事を進める人の倫理観とメンタルに驚愕。強い悲しみと憤りを抱えていた時期…私が今自分に正直に歌詞を書くとしたら、この気持ちを避けては通れない。強い負の感情と向き合うのはつらい作業ですが、歌詞のテーマを怒りに変えたとたん、すっとゴールが見えました。
無礼な行いへの嫌悪感を美しく生まれ変わらせることで、自分を貶めずに済む。そして素敵な楽曲が生まれる一石二鳥。
歌詞がまるで詞先のようにしっくりとはまった、その流れを書いてみます。
曲の構成は
F-Intro-1A-1B-1C-1D-1E-Interlude1-2B-Interlude2-3B’-2D-2E-Interlude3-3E
大野君はギターのリフでInterlude作るだろうなと思ったので、その部分はおまかせにして、歌部分のコード感とおおまかな構成を作りました。
当初の予定では「Deep blue drops」の逆を歌詞にするつもりでした。雨は止まないこともある。でも雨が止む未来を心に描いても良いのでは、と。
なので苦悩から希望へと天気が変わるようなメロディーの展開になっているけれど、これをそのまま怒りの表現へ。捨て台詞、心情説明、好きにしなさいよと突き放す。
私の大好きな、言わなければ気づかれない転調を全体に仕込みます。そしてメロディーは3声流れるように移り変わり、コーラスとの合流はカレーの途中のらっきょう(苦手な方は福神漬け、玉葱のアチャールでどうぞ)のイメージです。
メインのメロディーがコーラスなる、という入れ替わりを作りたかったのですが、いざ録音してみると分かりにくかったかもしれません。
自己満足の世界ですね。でも試したかったから…。
そして今回の曲で一番やってみたかったのは、全く違うメロディーを2本サビで走らせるということ。編曲の方向性が決まっているので、メロディーで遊んでみたい。
最初は両方に歌詞を付けてみましたが、聴くとかなり気が散る。ばっさり切ってランランスタイルにしました。
畑亜貴 – Do as you please @akihata_jp
編曲してます!F#ブレイクダウン🩸MV▼https://t.co/qVINEMLUeC pic.twitter.com/F1fc2EEEZp
— Mizuki Ohno (@mizuki_0hno) July 3, 2025
編曲の大野君の好みは一貫しています。
私はジャンルを問わずに好きな曲があるのですが、大野君が好むような激しいサウンドで歌う経験はあまりなく、ずっと向き合い方に悩んでいたけれど今回それが解決しました。
それは、編曲に寄りすぎないということ。
いつもの編曲の解釈を汲んで、歌の方向性を決めて練習するという流れではなく、作曲した時に目指した歌の方向性を保つ。違う方を向いていても、ミックスの段階でエンジニアの西岡正通さんがまとめてくれるはず。

そう決めたら心穏やかに歌録りに挑めました。そしてその期待通り、西岡君が音は美しく歌詞は怖い世界観を、充分に表現してくれたのです。
西岡君はミックスでも編曲でもジャンルを問わずな引き出しを見せてくれるし、音について真剣に語りあえるし、本当に毎回助かるというか、寒々しい浮世の風の後では救われるというか。音に向かいあう楽しみが胸に満ち、人を作品を大事に出来ない人間への怒りと悲しみが、一部憐憫の情へと変わりました(あくまでほんの一部)。

怒りを癒すのは音楽とあんこ。甘い物が苦手な大野君の前で、甘い物を摂取する私と西岡君。大野君があんこ愛に目覚める日は来るのでしょうか(たぶん来ない)。
今回も怒りを美しく映像で表現してくれた大野君との次作、どんな感じにしようかと考え中。探究を続けたいです。

我が心の音友よ、大変遅れ馳せながらになってしまった楽曲解説はこれで終わりです。
次こそ「MINERVA ROAD – 懐古庭園 Vol.10 -」について書きますね。
新作は、NINTENDO SWITCHゲーム「悠久幻想曲リバイバル」OP主題歌「Romantic Journey」、ED主題歌「突然だけど偶然じゃない」と
「悠久幻想曲アンサンブルRe:R」OP主題歌「鏡の名前」を含むアルバム「RomanticJourney」です。12月18日配信開始予定なので、ぜひ聴いてくださいね。
では、また!
では、また!




