我が心の音友よ、「Romantic Journey」はいかがでしたか?
2026年12月18日発売、Nintendo Switch 友情育成シミュレーションゲーム「悠久幻想曲リバイバル」、オープニング主題歌の楽曲解説をお届けします。
「悠久幻想曲リバイバル」とは、1997年に発売された「悠久幻想曲」のリメイク移植版です。当時はSEGASATURN、PlayStationでの展開で、私はSEGASATURN版のオープニング主題歌「教えてほしいの」(再録して配信中です)とエンディング主題歌「真珠になりたい」を担当しました。
これまでで、一番ポップな曲を作りたい。
ポップとは?
久しぶりに自分のための曲ではなく、ゲームのための曲を作るということに思い悩んでいました。
リメイク移植版ということは、当時の作品ファンの方々向け。でも遊んだことのない方々が新しく触れる機会でもある。となると、懐かしさと共に懐かしさ以上の何かを盛り込みたい。それは「教えてほしいの」曲分析で何か見えてくるかも。
「教えてほしいの」は、シンプルなメロディー、メロディーの音域を広げないように作りました。構成も短く歌いやすいように作った理由は、歌唱のご依頼も受けていましたが、他の方が歌うことになっても問題ないようにとの考えです。
歌からの始まりは、別世界への冒険、どこかへ飛んでいくイメージ。歌い出しのメロディーを駆け上がりにして、伸ばす音で発声を変えて飛翔感を高めている。
記憶は怪しいけれど、曲は地図。
当時の曲設計図が見えてきました。
新曲に継承すべきは、長く伸ばす音で発声を変えて出す飛翔感。盛り込みたい要素、懐かしさ以上の何かとして考えたのはテンポ感と抜け感です。「教えてほしいの」は当時アップテンポだと思って作っていましたが、もっと速くと刺激を求める方向へ世は進み、今やミドルテンポ枠。新曲は速さを感じさせるよう、スローテンポから始まり、アップテンポへ変わる。転調でさらに場面転換をする導入部分を作ることにしました。
その際の歌詞は、一番最初に伝えたい言葉であるべき。これはひねらずに「会いたかった」しかない(と、メロディーを考えながら思った)。そして全体のテーマは「ロマンティックな旅の中で再び出会う喜び」。
曲の構成は
0C-Intro-1A-1B-1C-Interlude1-2A-Interlude2-2B-3C-D-E
この構成は、冒頭を作曲しながら大体描いていました。1A辺りまでは、作詞と作曲同時に進めていましたが、疾走感を考えると作曲を先に進めた方が勢いが出ると判断、以降のメロディーと構成を先に作り、その後全体の作詞へ。
疾走感を保ちつつ、メロディーの盛り上がりを各所に作り、コーラスとストリングスでで輝く世界観を演出する。これが私の今を描くポップス曲であり、ゲームの世界観にふさわしい楽曲だと思いました。
この辺のことは、探究ラジオ「感情言語化研究所」でも話しているので、よかったら聴いてみてください。
編曲はオリジナル楽曲で毎度お願いしている、西岡正通さんに担当していただきました。今回いつも以上にレコーディングに関して神経質になっている自分にとって、西岡君のフォローなしでは制作に立ち向かえない状況でした。
私が今できることを詰め込んだ、ポップさの全てを出す曲を全力で受けてくれて、お互いのポップス成分バトルの様相。疾走感ある爽やかさ、ファンタジックさ、ストリングスできらきらしたい…というお願いが、見事にメロディーと一体となり、編曲の曲を広げる力をあらためて実感しました。
歌い方にも、大いに迷いました。
この時は「MINERVA ROAD – 懐古庭園 Vol.10 -」で、癖を抜く歌い方の探究後。楽曲的には元気さ、可愛さを出す方向だと思いつつ、歌の中でのその成分に自信が持てない。歌いながらつい西岡君に「大丈夫だった?」と何度も訊いてしまいました。その度に、大丈夫録れてますと言いながら方向性を示してくれたので、自分の歌でありながらも、委ねた先に見える景色もあると思いました。
私の曲は大体コーラス多めです。「Romantic Journey」もたくさん入れたくなって、さらに別日でコーラスを追加しました。
特に気に入っているのは、西岡君が作ったInterludeのコーラス。ストリングスと絡むコーラスの心地良さはもちろん、2Aに戻る前の展開が自分からは出てこないフレーズだったので面白く、ちょっと悔しかった。悔しさはマイナスの感情ではなく、天晴れですというプラスの感情。この悔しさを感じながらの制作がとても幸せです。
コーラスにさりげなく高音が入っていて、声出るかなと音程に気を取られていると、口がもつれたりします。
今の自分が出せる最高のポップさを表現できたと思ってます。こういう曲は、ご依頼がないと自分からは作らないと思うので、とても良い機会でした。ゲームと共に楽しんでいただけたら嬉しいです。
我が心の音友よ、大変遅れ馳せながらになってしまった楽曲解説はこれで終わりです。
次は「突然だけど偶然じゃない」について書きますね。
では、また!



