我が心の音友よ、「突然だけど偶然じゃない」はいかがでしたか?
2026年12月18日発売、Nintendo Switch 友情育成シミュレーションゲーム「悠久幻想曲リバイバル」、エンディング主題歌の楽曲解説をお届けします。
「Romantic Journey 楽曲解説」でゲームについては触れたのでここでは略して、当時の主題歌「真珠になりたい」から「突然だけど偶然じゃない」へ至った過程を書きますね。
オープニングと同じく作詞作曲に関しては、特に具体的発注はなかったので、方向性から考え始めました。
こういう感じのポップさがある曲は、自分では作れないかもと当時思っていたけれどあれから28年、今の私になら作れるはず。オープニングで自分史上最高の駆け抜けるポップス曲を作れたと思ったので、エンディングでは自分の中の爽やか最上級ミドルテンポのポップスを書こうと決めました。
まず構成について。
悠久幻想曲シリーズの楽曲を作るのは、これで最後になるかもしれないので、まとめとなるような内容にしたい。となると、思い出の曲の要素を入れるのはどうだろうか。「悠久幻想曲3 Perpetual Blue」のエンディング主題歌「離岸流に乗って」と、
悠久幻想曲ではないけれど、同じ流れにある(と思っている)ゲーム「エターナルメロディ」のエンディング主題歌「どうしよう?」を連想させるようなパートを作りたい。
という発想で、「離岸流に乗って」のようにラララから歌始まりにしました。
そして歌い終わりは「どうしよう?」の「やっぱり好きよ」を連想させる、「いつだって好きだよ」。
これらを組み込みながら、時の流れを感じさせるような進行を考えました。
歌詞と曲を同時に作り初めて、1Aの4小説でオープニングと同じく曲を先に作った方が良いと判断したのは、28年間の中で作詞家として仕事をしてきた時間の長さからです。作詞家の自分はどんな曲が来ても大丈夫。だとしたら、言葉の縛りなくまずは自由に作曲してしまおう。
曲の構成は、私の意識だと以下で(小文字にします)
0f-1a-1f-1b-1c-1d-Interlude(2f)-2a-g-2b-2c-3d
一般的な分け方だと以下になります。
Intro(0f)-1A(1a-1f)-1B-1C-1D-Interlude-2A-2B-2C-2D
会話が進むようにメロディーとコードを変えていく。嬉しくなったり寂しくなったりするように、一瞬転調させる。メロディーの動きを何度も調整して、歌って気持ち良いところへ落とし込む。
歌詞は語りかけるように思考を歌う。好きだった人(こと、もの、夢、なんとでも解釈できるように)と再びの出会い、それについて思うこと、理想と現実とは一致しないとわかってるけど、それでも理想を追いたい。メロディーの外部へ向けた躍動感を生かしつつ、言葉は内省。
歌詞を書きながら、この作品にかつて向かいあってから28年経ち、その間たくさんの曲を作ってきたことでかなり鍛えられたと実感しました。少し先へと手を伸ばす積み重ねで、遠くへたどり着いた感。これからは格段の進化はできないかもしれないけれど、やはり少し背伸びをしたり、届く先へと手を伸ばす気持ちは大切にしたいです。
メロディー的には気持ち良くても歌いにくい場合や、歌い方については作曲家の自分とシンガーの自分との戦いです。希望通りに歌いこなせるまで練習すればいい VS 歌いやすいメロディーで声を響かせたい。まず練習してみてから、お互い歩み寄るというのがいつもの解決方法。どちらかというと作曲家の意志が強いとは思います。つまり自分の中でのわがまま度が高い順は、作曲家→シンガー→作詞家です。
今回のバトルは自分的キメ歌詞「幸せってさ 欲しがるだけじゃだめって気づいたんだ」部分。このメロディーは強めに駆け上がって欲しい作曲家の畑さん、歌う畑亜貴はDパートの高音への繋がりを考えて優しく歌いたい。ブレイクだから優しく歌ってもキメ感は出るはず、と歌う畑亜貴の意見を通しました。
歌録音は、流れを出したいのでなるべく一気に歌います。歌い終わるといつもに増して喉がからっから。レコーディングが終わってから気づいたのは、この曲は通して歌うと飲み込みできる隙間がないこと。歌いっぱなしなので、休符の時に唾液を飲み込んだり、間奏で水を口に含んだりできなかった…自分用に曲を作り続けていると、つい自分に我慢を強いがちです。
編曲は西岡正通さんに担当していただきました。
爽やかなギターサウンドは、絶対得意なはず。気持ち良くてずっと聴いていたい音が作りたいというお願いを見事に表現してもらって、毎度のことながら感動です。
コーラス、ハーモニーはたくさん入れたい。低音パートは自分でも考えましたが、その他は西岡君におまかせしました。その中で、自分の発想にはなくて面白かったハーモニーは「いやだな」で上がるパートです。
Am(ラドミ)というコードに、ハーモニーを上げてD音で伸ばす。これは自分だったら上げずに多分4音下げてG音にしたでしょう。この場合G音よりD音の方が面白い。悔しい。
アルバムのレコーディング中、ちょうど私の中で第3次コーヒーブームが始まった頃。コーヒー好きの西岡君が、スタジオで入れてくれました。思わず師匠と呼んでしまうほど美味しいコーヒーとコーヒー豆をいただき、本当にやりきれないことがたくさん起こった時期だったので、辛い日々にも一筋の光はあると思いました。
あれから一年、今では小学生女子がシールを交換するように西岡君とコーヒー豆を交換して、充実のコーヒー生活を送っています。
ゲームのオープニングとエンディング、両方とも過去の自分を乗り越える曲が作れたと思っています。やりきった、心残りはない、という気持ち。ゲームと共に楽しんでいただけたら嬉しいです。
これで今の自分のポップさは出し切ったので、次からはまた新たな挑戦へと進みます。
我が心の音友よ、「突然だけど偶然じゃない」楽曲解説はこれで終わりです。
次は「迷宮毎日デグチドコ?」について書きますね。
では、また!





