我が心の音友よ、「迷宮毎日デグチドコ?」いかがでしたか?
2026年12月18日配信開始、アルバム「Romantic Journey」より「迷宮毎日デグチドコ?」「楽曲解説をお届けします。
「迷宮毎日デグチドコ?」は、編曲の西岡正通さんと私が「ジャズ小唄シリーズ」と呼んでる楽曲カテゴリに入ると思います。ジャズ風で軽さ気持ちよさを重視した歌楽曲という説明で伝わるでしょうか。
ジャズ小唄シリーズの初期「未完の狂気」と「窓辺の真珠」を経て、
「バイバイ、永遠に。」で、独自路線が見えてきた気がします。
そして「進退維谷まる (Monologue ver.)」で、こういう雰囲気が好きだと確信が持てたと思っています。
「無欲のつもりで」で、間奏のコーラスとギターの絡みも、ジャズ小唄には大事なのではと感じました。
ひとり言っぽいのも特徴なのかもしれません。
「迷宮毎日デグチドコ?」では、そのひとり言っぽい単語を丁寧に表現してみようと思い、「今度はなくていいや」の「や」を息多め、「これっきりです」の「これっきり」に少し力を入れ、「言っちゃっていいよね」の「よ」を跳ね上げたり、自分なりの小技を使いました。小技の積み重ねで、聴く時にはなんかいい感じだと思ってもらえたら嬉しいなと。
そして、言葉にならない、言葉にできない感情が渦巻いているという意味で、「Ta-tu Ta-ra-ra Ta-tu Ta-ra-ra」と歌う部分を作りました。
つまり私が思う小唄とは、感情がこぼれ落ちて歌になってしまう曲。閉ざされた空間で叙情を伝える曲。といったところでしょうか。
編曲は西岡正通さん。
定期的に作りたくなるジャズ小唄は、私と西岡君の趣味が重なりあうサウンドだと思います。自分なりの解釈でのジャズ風、というところが特に。
構成はシンプルです。
Intro-1A-1B-1C-2A-2B-2C-Interlude1-Interlude2(3C)-3C(half)-3C’
このアルファベットと数字でお伝えしているのは、リハーサルマークです。レコーディングやリハーサルなどで、曲の位置を示す地図のようなもの。書き方は色々あるのですが、私にとっては歌物の時は、歌の有る無しがわかりやすいようにこの形式が多いです。Intro、Interludeは歌無し、A=導入部、B=展開、C=サビという解釈です。
編曲時に、所々コードが変わることがあります。とても面白く感じたのはサビの展開です。私はサビの前半(譜面のサビ1)と後半のリピート(譜面のサビ2)を同じコード進行にしていたのですが、西岡君はリピート部分を変えています。
これによって、可愛い雰囲気にちょっと複雑な想いの雰囲気が混ざりました。自分の発想ではこのコード感にならないので、最初は少し違和感があったけれど、聞き込んだらこの展開はありだと思いました。
「それっきりです」のコードA7の後にDmaj7へ戻ると、すっきりします。ただ、ここでA7→Gmaj7と一音下がると、切なさはかなり上昇。なるほど効果的だなと。さらにコーラス「ハー」はコードGm♭6と共にA音E音のハーモニー。次のコードD/F#とD7に行く前、歌詞「もう」の直後に入る切なさ効果はかなりのもの。なんと素敵な進行。
その切なさ効果を踏まえて、聴いてみてください。
細かい技の積み重ねが素敵を作る、1曲の中に丁寧に仕込んで行くことは創作の大きな喜びだと思います。
我が心の音友よ、「迷宮毎日デグチドコ?」楽曲解説はこれで終わりです。
次は「笑えないと思った夜は」について書きますね。
では、また!


