昨年の旅が、自分を見つめ直すいい機会になったので、今年も誕生日前に旅をしてきました。
自分を更新する作業がしたかったのです。
今の気持ちとしては。
去年創った「毀レ世カイ終ワレ」で創りたかった世界のひとつが完結したように感じ、それ以来心の一部が脱力していました。
これからの私が表現したいことはなんだろう?
曲を創り続けながら、手掛かりを探る日々でした。
悶々と日々を過ごすうち、ふと「シーモアさんと、大人のための人生入門」という映画の予告が気になり(いかにも、な邦題には反発をおぼえつつ)、観に行ってみると、そこにひっかかる一節がありました。
「人格を作る源は、その人が持つ才能の中にある。何の才能であろうとも。」
そして、続く言葉が心に残りました。
「音楽に情熱を感じていたり、楽器を練習する理由を理解していれば必ずできる。
音楽家としての自分と普段の自分を深いレベルで一体化させることが。
するとやがて音楽と人生は相互に作用し、果てしない充実感に満たされる。」
(この言葉が気になって、再度確認するためにDVD盤を買いました)
「音楽家としての自分と普段の自分を深いレベルで一体化させること」
を、これからの人生に私は求めているのでしょうか。
職業作家として、アーティストとして、そして普段の自分。
これらは今、自分の中で分けられていて、心の底では一体化させ充実感に満たされたいと望んでいる?
私から見て自然に実現している(と思われる)ひとを、とても羨ましく思うのはそれ故?
と、想いにふけりながら、ロンドン、リスボン、またロンドンを彷徨う旅。
遠い国で孤独を心地良く噛みしめられることに、ほっとしました。
自分らしい気持ちになれるなと。
そしてその時ふと生まれた曲を、歌いながらメモしている時にとても幸せだなと感じました。
結局、悩みながら創り続けるしかないというのが、今のところの指針です。
こんな悩み迷い、未熟な自分がもう51歳とは。
私のくせに頑張ったなとは思いますが、まだ自分の描く理想には届いていません。
次に歳を重ねるまでの1年、試行錯誤しながら51歳の自分で足掻いてみます。
足掻いていることを少しは楽しみながら、私の中で滾る旋律の出口を見つけようと思います。
作品を愛してくださる方へ、感謝の気持ちを。
私自身を応援してくださる少数派の方へ、地味に創り続けているものがあるので、待っててくれると嬉しいです。
ありがとう。